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Home  愛舞協の理念愛舞協の掲げる劇場管理運営方針
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全国には、2000を超える公共の文化施設があり、その内、公共ホール(公共劇場)の全国組織である(社)全国公立文化施設協会に加盟している公共ホールが約1,400館あります。しかし、その3分の1程度は専門の技術者を雇用していないか、舞台技術会社に委託もしていないといわれています。しかし、そこで使われている舞台設備(通常、演出用設備として舞台機構・舞台照明・舞台音響のことをいう)は、日常生活で扱っているような家庭電気製品などとはあきらかに違う技術を要します。舞台技術者・劇場管理技術者としての訓練を受けない限りは扱えないものを、アマチュアの方たちに無条件に開放するという公共ホールが存在するようになったということに、強い危惧を抱かざるを得ません。

日本での舞台技術は、民間の興行場(商業劇場)で培われた技術が基本となって現在の公共ホールに波及しています。近年、舞台技術に関わる実務教育が専門学校や大学で実施されるようになってきましたが、まだまだ劇場やホールの実践感覚とは乖離がある段階で、実際の現場作業については実務を通して養われている部分が少なくありません。舞台技術者に必要とされるのは高い技術力や専門的な知識だけではなく、十分な経験値が必要になること、さらに舞台設備をはじめとする劇場設備の急速な進化や多様な演出に対しても様々な技術を要求され、舞台技術者の担う役割も専門分化すると共に多様化する時代になりつつあります。

日本の公共ホールの多くは、さまざまな催事に対しての「場」を提供することを目的に建設されてきました。公共ホールの建築初期から、安全面だけを重視するあまり、利用に制限を加えたりして、利用者(表現者、主催者等)と、管理者(施設管理者、劇場管理技術者を含む)との間に、表現の自由をめぐって、舞台使用上の誤解や意見の相違が多々生じています。

従来の劇場管理業務は、各専門分野の「舞台(大道具)」「照明」「音響」の技術者で構成されていました。しかし、各地に次々と建設される公共ホールは、施設も大型化・複雑化しコンピューター制御が当たり前の舞台機構を備え、最新のテクノロジーが導入されています。設立目的も「場の提供・鑑賞型」から「情報発信型」へ、また「住民参加」がキーワードとして多く登場してきています。愛舞協は、いままでの舞台技術の他に、舞台機構の仕組みを熟知し、コンピューターによる制御法、重量物の扱い方などをも取得した、「劇場管理技術」という別の職種が必要であるとの認識を持ちました。

さらに、2001年12月に成立した「文化芸術振興基本法」や、翌年閣議決定された「文化芸術振興に関する基本的な方針」、また2003年の自治法の改正による「指定管理者制度」の発足に伴い、地域住民へのサービス向上を視野に入れた「劇場運営」に舞台技術の裏づけを持ち、芸術をよく理解している「専門家」として、我々が事業運営の主体を担うことにより、劇場・文化ホール等の施設本来の設置目的を具現化出来るのではないかという観点にたち、第四の部門としての『劇場管理運営技術者』を育成しています。

この『劇場管理運営技術者』の業務は、利用者との調整・立会・設備の運用、管理メンテナンス、改修計画作成等の業務にとどまらず、不特定多数が集まる場所という性格上守らなければいけない法律問題や、出演者・観客を含めた安全確保の問題を技術的にも解決し、利用者が求める最大限の表現をどのように可能にするか適切なアドバイスをし、要望に答えていくという内容です。専門の技術力の提供のみならず、「法令」に基づいた「安全」の確保や、「法令」に基づいた禁止行為の解除申請による「表現行為の保障」などが求められるとともに、住民サービスといったことまでも含めた広範囲なコミュニケーション能力・調整力が必要とされます。これは、従来の公共劇場では求められなかった職種です。

愛舞協では労働基準法、消防法、労働安全法、労働安全衛生規則など関係法令の勉強や、レーザー光線使用など特殊効果の技術習得を、年4回行うセミナーや講習会で、所轄官庁の講師による講義を開催し、必要とする資格取得を積極的に行っています。舞台担当者には、「玉掛技術者」「足場等作業主任者(高所作業等の作業に必要な資格)」などの資格を、また照明担当者は、(社)日本照明家協会が行っている「舞台テレビジョン・照明技術者技能認定制度」の認定取得(照明専門家とは日本工業標準調査会審議「日本規格協会制定平成12年3月20日JIS C 8105-2-17:2000公布」の「舞台テレビジョン・照明技術者技能認定制度」による認定者と明記、位置づけられた)、音響担当者は、国家試験(厚生労働省認可)である「舞台機構調整技能士(音響機構調整作業)」の取得なども積極的に行い、専門分野の技術力の向上はもとより、他分野の舞台技術をも学び、その他「防火管理者甲種」「職長・安全衛生責任者」の取得や、「普通救命講習」の指導にあたる「応急手当普及員」の資格を取得しているものもおり、『劇場管理運営技術者』の更なる向上をはかっています。